「皆さん、今日の料理を説明する前に少しお話があります」

 順平先生が教壇に上がり、土曜日メンバーを見つめた。

 いつもなら、すぐに今日のメニューの発表と説明。そのあとに順平先生のデモンストレーションという流れだ。

 鮮やかな手さばきにベテラン主婦の皆様からも「おお!!」という歓声があがるのはいつものことである。

 しかし、一体どうしたというのだろうか。

 基本、順平先生は雑談をしない。
「時間がもったいないから」というのが本人の談である。

 日々のあれこれを話すことはないのだが、料理にまつわる話や、食材の由来など。そういったためになる話をすることはあるが、こんなふうに改まって話をするということをしたことはないと思う。

 とりあえず半年通っているが、こんなことは初めてだ。
 私は、どうしたのだろうと不思議に思いながら順平先生を見つめた。

 少しだけざわついた教室内だったが、静かになると順平先生は一冊の雑誌を取り出した。


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