僕と8人の王子



そんな事を考えてたら


泉先生の口から、1番気にしていた言葉が...。






「最後に、“寮”と“入浴”についてですが...」





同時にきた!!





気のせいか、先生が僕を見て少し笑ったように見えた。




「初めに寮についてですが、基本5人〜8人の大部屋です。....が、部屋の関係上、105号室だけ9人部屋になります。申し訳ない。なお、寮はクラス別で決められています」


(えぇ⁈男9人で同じ部屋とかむさ苦し過ぎるよ。その部屋の人、本当気の毒だな)


「次に、入浴についてです」



「入浴については、うちの学校は大浴場のみ‼︎」





(無理無理‼︎絶対!どうしよう。大ピンチだよ‼︎入学初日で強制送還とか…)


きっと僕はそのとき、苦虫を噛み潰したような顔になっていたと思う。






「......だったんですが、10年前くらいからうちの学校に入って来る芸能人が増えましてね。忙しくて大浴場に入っている時間がないという要望が多発したので、各部屋にシャワールームが設置されました」



(芸能人グッジョブ!涙)





「なのでそっちを使っていただいても構いません。以上」


解散しかけた時、先生が思い出したように。


「あ、黒板にそれぞれの名前が書いてあるので、その横の部屋番号を私に言ってください。そうすれば部屋の鍵を渡します。各自部屋には荷物が届いていますから、夕食までに荷物の整理と、入浴はいつでもご自由にどうぞ」





極度の緊張から解き放たれて、これ以上ないようなフワフワした気持ちで黒板を見に行った。











部屋割りを見るなり僕は石のように固まった。




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