――高遠くんのお見舞いに行って土日が明けた月曜日。

重い瞼を強引に上げつつも、通勤通学で多くの人が電車を待っている朝の駅のホームに立っていた。

うー…寒い。明日からマフラー巻こうかな。


『……小日向?』

「っ……、」


あまりの外気の冷え込みにすっかり冷たくなった手を白い息で温めていると、後ろから掛かった声に振り返る。


「たっ、高遠くん…!?」

『おはよ。』


そこには、金曜日に高熱を出していた高遠くんの姿が。

まだ病み上がりだからか、マスクをして声もちょっと鼻声だ。それに、ちゃんとマフラーも巻いてる。

今日も休みかも、と思っていたから、高遠くんの制服姿に驚いたし、何より学校じゃなくて駅のホームで会えたことにビックリする。


「おっ、おはよう…!具合、大丈夫なの?」

『うん。平熱だから大丈夫。』

「そっか。良かった!でも……あんまり無理しないようにね?」


病み上がりが一番大事だから。せっかく治りかけてるのに、またぶり返したら大変だし。

うん、そうする。と高遠くんが行ったと同時に、満員電車がホームに到着した。

うわー…今日も多いなぁ…。上京してきて3年経つけど、東京独特の満員電車にはまだまだ慣れない。

福岡はここまで酷くなかったし…。

いつもこの通勤ラッシュに憂鬱な私だけど、高遠くんが一緒にいるだけで、そんな憂鬱は一瞬で吹き飛んでいくんだから不思議。

ぶわっと人が電車の中から出てきて、ホームにいた人がどどっと中に入っていく。

慣れたように人波に乗って電車の中に入っていく高遠くんとはぐれないように、私は高遠くんの後ろにピッタリとくっついて電車の中に乗り込んだ。



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