――3学期に入り、2月初旬。


『あーもう、テストダルいー…。』


放課後、隣の席で英語のテキストを広げてボヤいているのは、千尋くん。

テストを一週間ちょっと前に控えている今、テスト前恒例となりつつある教室で千尋くんと自主勉強をしていた。


「千尋くん、寝ちゃダメって。」


机に俯せて寝る体制をとる千尋くんの腕を引っ張る。

まだ勉強しようと言い始めて15分しか経ってない。


『眠いー…。』

「学年末なんだから、赤点取れないでしょ?ほら、頑張ろうよ!」

『雛乃からもらったお守りあるから、勉強しなくても大丈夫だって。』


やっと起きてくれたと思ったら、千尋くんの筆箱のチャックに付いているお守りを大事そうに撫でた。

千尋くんが見つめている青い学業守りは、私が正月に太宰府の学業の神様を祀っている神社に初詣に行ったときに買った物。

私が参拝した神社は学業成就に有名なところで、毎年受験生で賑わう。


「勉強しなきゃご利益ないって…。千尋くん、勉強しよ?」

『……じゃあ、雛乃が英語教えてくれる?』


机に頬杖をついて、ちょっと上目遣いで私を見つめる千尋くんは、ズルいと思った。



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