一期書店から北に進んだところにある春町駅までは徒歩15分程度。

南へ行けば栄樹社の本社ビルもあるオフィス街で、東には住宅街があり、西側から駅前にかけてはオシャレな飲食店が多い。

お店の場所としてはなかなかいい立地だけど、春町駅の反対側には華やかなショッピングセンターなどが立ち並び、うちの5倍程の面積を誇る『小夏書房』という大型書店もある。


それでも、仕事終わりのサラリーマンや買い物ついでの主婦、学校帰りの学生など、一期書店に通ってくれるお客様の年代層は幅広い。


「伊瀬くーん! この前オススメしてもらったミエル文庫、とってもおもしろかったわ。キュンキュンしちゃった」

「わかりますよ〜。小牧の奥さん、なんだか綺麗になりましたから」

「いやだもーう!」


キャピキャピと嬉しそうな奥さんが、伊瀬さんの肩をバッシーンと叩く。

樋泉さんが会社に戻ると私はすぐにレジに入り、しばらくして常連客である小牧さんがお店にやって来た。

小牧さんは数多いる伊瀬さんファンの筆頭で、いつも自分の好みの本と中学生の息子さんに頼まれた漫画、それから伊瀬さんのオススメするミエル文庫の小説を買ってくださる。

この作品のキーワード
書店  メガネ  あまあま  イケメン  じれじれ 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。