今年の夏は空の青さも強い日差しも、すべてが胸を高鳴らせる。

わけもなくドキドキするのは、スーパーヒーローに恋をした夏だから。


部屋の窓の外では、始まったばかりの新しい一日への期待を隠し持った青空が、白い雲を抱えて手招きしている。


「どうしよう、やっぱりちょっと子どもっぽいかな」


だけど私は窓の外には目もくれず、朝から何度も鏡の中を覗き込んでいた。


私が着ている黄色いギンガムチェックのワンピースは、夏らしい明るい色遣いだけど形やデザインがレトロな雰囲気で、可愛らしくて上品。

いつもより少し色の付いた唇も、くるんと上を向かせたまつ毛も、私の中では上出来。

今日はたくさん書店を巡るはずだから、あまりヒールの高くない、お気に入りの白いパンプスを合わせる予定。


これは全部、樋泉さんと"敵情視察"に出掛けることが決まった夜から寝る間も惜しんで考えたコーディネートだ。

セクシーでエレガントで大人な樋泉さんの横に立って、お似合いとはいかなくても、恥ずかしくないようにって……。

だけど待ち合わせの時間が近付くほどに、本当にこれで大丈夫かなって不安になる。

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