GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「快二、今日調子おかしいよ?体調悪い?」
いつの間にか学校に着き、無意識のうちに靴箱で靴を履き替えていた。
「あー悪いもん食ったんだろうな」
「気をつけなよー。エース不在の野球部なんて笑えないよ」
そう笑いながら俺より先を歩く城薗。
「……そこは心配してくれよな」
届かない言葉を呟いて、城薗の背中を追いかけた。
今日の午前中は、文化祭後の残りの片付けで、午後から授業。だから、片付けといっても……自由時間みたいなもんだ。
「よし!野球するぞー!」
「ちょっと男子!ちゃんと手伝ってっ!」
逃げ出そうとしても、クラスの強ーい女子達に捕まった俺達男子は、こきつかわれることになった。
「逃げようとするのがバカなんだよーだっ」
廊下の高い位置の窓を拭く俺に、城薗が横から茶々を入れてくる。
「うっせ。この新聞紙さえあれば、どこでも野球が出来るんだ!ほら、エースの腕をあげるためにもこの練習が必要なんだ!」