GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
まぁ、その理由は簡単。私の好きな人が野球部にいるからなんだけどね。
「最近はどうなの?」
「んーボーダーラインのまま」
「なかなか進展ないのか~」
「アタックはしてるんだけどね」
「奈央のことだからぶきっちょそうね」
…………お母さん、それ図星なんだけど。
「って時間ヤバイ!?お母さんいってきまーす!」
そして、いつものように元気良く家を出た。
私は城薗奈央、高校二年生。通学手段は電車で、たまーに乗り遅れる時もしばしば。理由は毎朝女子力を磨いているから!
アイプチをしたり、コテを巻いたり毎朝大忙し。でも、こんな風に時間をかけてしまうのは……大好きなアイツのため。
「はー!間に合った!!」
ギリギリセーフで間に合ったいつもの電車。今日の混みはまぁまぁってとこかな、なんて思いながら電車に乗り込む。
右手でつり革につかまり、左手に持つスマホを鏡代わりにして、髪の乱れがないかチェックする。