もしも緑間くんと恋をしたら
ラッキーアイテム
帰宅してからというもの、いつもより遅かったせいか夕飯を食べて入浴しただけで、もう就寝の時間になっていた。

自分でも気付かなかったが、思ったより放課後を堪能していたようだ。

こんなことは初めてだった。

緑間くん……明日も一番に練習に来るのかな。

ファーストフード店にいたときは、何故だが紫原くんにドキドキしていたのに、今度は緑間くんにドキドキしている。

でも、きっと、このドキドキは意味合いが違う。

男性に慣れてないからこそのドキドキと、トキメキのドキドキ。

緑間くんに対してのドキドキは、多分トキメキのドキドキだ。

紫原くんほどではないけど、背は高い。

加えて、姿勢が綺麗だから、立ち姿も華麗だ。

眼鏡を手で押しあげる時の指先も、女性のように細くて綺麗。

放つ言葉や見下ろす瞳は冷たいとはいえ、彼なりに真っ直ぐで真面目だ。

私なんて気にも止めてないだろうけど、車道と歩道の件は素直に嬉しいものだ。

そう思い出すと、ドキドキが止まらなくなっていた。


緑間真太郎……私の初恋の人……。
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