キミじゃなきゃダメなんだ
「里菜...何かたくらんでない?」
「ええっ!?たくらんでなんかないよぉ~」
「ぜーったいなんかあるでしょ。じゃなきゃ、わざわざ一緒に行ってくれたりしないもん。ね、チョコちゃん!」
里菜の横にいるチョコちゃんに話しかけてみるけど、残念ながら今日も彼女の視線は携帯に釘付け。
ダメだこりゃ。
じーっと里菜を見つめると、すぐにテヘッと可愛らしく笑って、白状してきた。
「汐見先輩はタイプじゃないけどぉ、その隣にいる松原先輩はイイんだよね。顔カッコいいし、ノリ良さそう」
松原っていうんだ、あの茶髪の先輩。
里菜は、汐見先輩の隣で笑う松原先輩を見ている。
その目は獲物を見つめる目付きで、女子怖いと思った。
松原先輩、確かに里菜のタイプのドンピシャだ。
適度にチャラくて、イケメンで。しかも年上。