「……え。亜子、それ本気?」

「う、うん……初めてなんだ、こんな大きな仕事任されるの。だから……私の気持ち、わかってほしい」


日曜日の昼、私は渡部くんをカフェのランチに誘い、自分の胸の内を隠さずに話した。

渡部くんに対しての気持ちはもちろん変わっていないこと。こんな方法を取るのは自分が不甲斐ないせいであって、これからもお付き合いを続けて行きたいということを、特に強調して。


「そっか……」


視線をコーヒーカップに落とし、残念そうに呟いた渡部くん。

その仕草は半分嬉しくて、半分切ない。

やっぱり、ときどき電話くらいはしてもいいかなという妥協案が脳裏をかすめるけれど、必死に自分をセーブする。


「……ゴメンね。すごく勝手なこと言ってるよね」


それわかっているから、渡部君の目をまっすぐに見れない。
舌に残るコーヒーが、苦い。


「いや……俺もまだまだ会社では下っ端だから、チャンスをものにしたいっていう亜子の気持ちはわかるよ」


けれど渡部くんは私を責めることなく、爽やかなスマイルを向けてそう言ってくれた。

……やっぱり、渡部くんは優しい人だ。
このタイミングで余計に好きになっちゃうのはツラいものがあるけれど、優しい言葉は素直に嬉しい。


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