ゆっくりと目を開ける。


暗い。


手足の感覚が戻ってくる。


でも、右手の感覚は戻ってこない。


痛みは―――ない。


使える右目だけで周りを見渡すと、先程と変わらない光景がうつった。


血塗れで倒れる広樹と、その側にいる私、そしてそれを見下ろす佐久間。


先程と違うのは、私がやけに落ち着いていること。


あと、佐久間が笑っていないこと。


「…………………広樹」


私が広樹に手を伸ばすと、広樹の身体は透けて…すっと消えてしまった。


………触れなかった。


きっと、ここあや真理もこうして消えていったんだろう。


智哉も恐らくもういない。


不思議と、涙は出なかった。



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