うるさいわよ。おっさんはもっと嫌い。
加齢臭がする上に、セクハラまがいの視線をよこすんだもの。

短いスカートもくっきりした化粧も、胸元の空いた服装も、自分が女だっていうアピールよ。
いわば必死の努力。

なのにおっさんどもは理解せず、最近の若いもんはと眉をよせられる。

こっちこそ腹が立つっての。


やがて最寄り駅について、私は暗くなった道を歩く。

私はアルコールに強い。
まだまだ飲めるなぁとコンビニに入って、チューハイを二缶ほど買って帰る。


三十歳の誕生日。
全く誰にも覚えられていないってわけでもないのに、プレゼントとか誰からも貰えなかったな。


「……あ、一つだけあるか」


今日のお店の割引券。

カリグラフィーっていうんだっけ、おしゃれな文字で書かれている。
この店は和風にいきたいのか洋風にいきたいのかさっぱり分からないな。

鞄は投げ捨てて、コートは皺になっては困るので丁寧にクローゼットに戻す。
そしてすぐさま、コンビニ袋の中をあさった。


「ふん。……めでたくもないよね、三十歳。乾杯」


チューハイのプルタブを開け、窓に反射で映る自分と乾杯する。
炭酸が悲しいくらいに喉を締め付けた。

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