懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
《みなさまお待たせしました。それではステージ4を始めます》


何の感情もこもらないその声に、良が「ヒッ」と小さく悲鳴を上げた。


今までの部屋でも、そのキッチンの持ち主が必ず作る側に立たされていた。


きっと、今回もそうだろうと、良は察したのだ。


そして、それはすぐに現実のものとなった。


《永井良が子羊のソテーを作り、永井良がそれを食べなさい。制限時間は30分です》


「え……?」


放送が流れた瞬間、百合が首をかしげる。


さっきまでとの違いは俺にもすぐに理解できた。


今回は良の名前しか出て来ていないのだ。


「ぼ、僕が作って僕が食べるのか!?」


意外な展開に良の額から汗が流れた。


「落着け良、今は時間がないんだ。材料になりそうなものを探すのが先だ」
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