「秋月沙羅です。風間物産で秘書をしてます」

「風間物産かあ。大手だね。沙羅さんはキレイだしモテるんじゃないの?」

「いいえ、全然モテないです。田口さんこそIT企業の社長だし、凄くモテるんじゃないですか?ここにいるのが不思議なくらいですよ」

田口さんからもらった名刺を見ながらにっこり微笑むと、私はシャンパングラスをゆっくり口に運ぶ。

私は今、大学時代の友人が開いた婚カツパーティーに参加している。他の婚カツパーティと違ってルールはない。普通の立食パーティ形式で気ままに話すだけだ。

だが、友人は大企業の社長令嬢だけに顔が広く、今日の男性参加者のほとんどは有名企業の役員や医者、弁護士といった勝ち組。

超セレブが集まるこのパーティーに私の目の色も変わる。

いつものクールなイメージを捨てて長いストレートの黒髪をコテで巻いてフェミニンな感じにし、普段は絶対に着ない男受けするシフォンのピンクのワンピまで着てきた。