「社長、お孫さんが今日赴任してくるって本当ですか!」

朝の申し送りで社長のデスクをバンと叩き、私は開口一番に社長に藤堂の件を問い質す。

「沙羅くん、おはよう。今朝はまた凄い剣幕だね。それは、颯介の事かな?」

社長がにっこり笑いながら面白そうに私を見る。

ひょうひょうとした感じの社長だが、こう見えてなかなかの曲者だ。

でなきゃ、日本で三本の指に入る総合商社の社長なんて出来ない。

風間物産は全世界にあるネットワークを利用して幅広い商品やサービスの販売、事業投資等様々な事業を展開する大企業で国内に二十ヶ所、海外に百三十ヶ所の事業所があり、この三十五階建ての丸ノ内の本社ビルに約八百人の社員が勤務している。

その大企業のトップに君臨してるのが、今、目の前にいるこのお惚けじいさんだ。