バラバラスクリプト
空中浮遊
ある日 男が猫に言う

『猫の子
子猫

おいでおいで

暇そうなお前に
ちょいと
面白い物を見せようと思う

金の魚
金魚が見えるか?

その目 開いて
よおく見ろ

だけど 水の中にはいないから
空を見ろ
よおく見ろ

出目金小赤頂点眼
彗星三色白蝶尾
蘭茶金朱文金
流金桜彗星水泡眼

さあ 遊べ
猫よ』


男が唱えた不思議な呪文は
空に染み渡った


すると途端に猫の子 慌てた
何故かと言えば
本当に面白い物が見えたから

そして上を見上げて歩き出す

時は過ぎたが
子猫の子猫も
その子猫の子猫も
何も無い宙見て目を開く

終いには
全ての猫が空を見て
目を開く

男はそれ見て
笑ってた

そして
ある時人に言う

『人の子

おいでおいで

暇そうなお前に
ちょいと
面白い事を教えようと思う

いいか
猫をよおく見ていろ
虫も無いのに宙を見てたら
そこに君には見えない者が…』

すると人の子 逃げていった
笑い飛ばして逃げていった


男はため息


『犬の子

おいでおいで……』
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