フルート吹きの魔法使い

この19年間、真面目にフルートだけをやってきたはず。
恋もせずプロになりたくて必死にフルートを吹く毎日だった。

なんも悪い事はしてない!
誰よりも真面目に生きてきたはずだ!!

そう思い泣きそうになる。


俯いて足元を見ると、フルートの入ったケースと楽譜を入れたカバンが落ちていた。
どうやら、地獄にフルートも一緒にやってきてくれたらしい。


「愛しのフルートちゃん・・・。私をかわいそうと思ってついて来てくれたのね」


ぐすん、と涙ぐみながら拾い上げた。

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