溺愛ドクターは恋情を止められない

繋がる未来


次の日、奏多さんの家から出勤すると、那美が包帯をグルグル巻かれた私の手を見て、目を丸くして驚いている。


「ちょっと都、どうしたの?」

「ドアで挟んじゃって……。まったくドジでしょ?」


昨日のことはどうしても言えない。
那美にはなにもかも決まってから報告しよう。


「ほんとだよ。気をつけて」

「ありがと」


受付業務は、右手でなんとかこなした。
加賀さんや中川さんが心配してくれたけど、今まで休んでいたというのに、これ以上迷惑はかけられない。

だけど……ここの仕事ができるのも、あと少しの間かもしれない。


その日は幸い酒井先生の当番ではなく、ホッとした。
おそらく小谷先生が酒井先生のところに行ってくれたはずだけど、あれからどうなったのだろう。


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