この思い秘密です

作詞担当?

家の戻ると淳平は私にスタジオに来いと言った。

コントロールルームの壁側の大きなソファーに淳平は既に座って

紙に何かを書いていた。

名前を呼ぶと横に座るように促された。

そしてソファーに座ると淳平はペンを置き・・・

「アルバムのコンセプト決めたよ・・・はい」

持っていた紙を私に差し出した。

そこに書いてあったのは

「恋愛小説?」

アルバムのコンセプトにしてはピンと来なくて首をかしげると

淳平はさっき見ていたあの作品展をみてひらめいたというのだ。



淳平は目をキラキラさせながら私を見るが

最初はイマイチピンと来なかったが

「さっきの絵画展見ていたら、あの絵の主人公である画家の奥さん視点はどうなのかなって思ったんだ」

「奥さん視点?」

淳平は大きく頷いた。

「画家であるご主人の奥さんへの愛情はどの絵からも伝わっただろう?
じゃあ・・・奥さんはご主人のことどう思ってたのかなってふと思ってね。
彼女はもうこの世にいないけどこうだったらいいなって思うことは自由だよな。
だったらそれを俺たちのアルバムで表現できないかなって思ったんだよ」

熱のこもった淳平の表情を見るのは久しぶりだった。

「でも具体的には?」

大まかなコンセプトとしては面白いと思うけど

あまりにも大まかすぎるため即答できなかった。
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