目なし女の消えない呪い

消えた女子生徒

漠然としていた謎が、今、一本の電話によって、形をなそうとしていた。




拓也は受話器を強く握りしめ、受話器のから聞こえてくる声に、耳を澄ました。




｢火傷で赤くただれた顔の女子生徒は、オレたちのクラスのいじめられっ子だったんだ。

名前はたしか、長島優子。

醜い顔の女だったよ｣




〈 長島優子……。

それだ、間違いない。

そいつがオレたちを呪っている目なし女だ！ 〉




拓也はそう思い、少しずつ明らかになっていく謎に興奮しながら、受話器の向こう側の男性に話しかけた。




｢長島優子は、どんな感じの女性だったのですか？｣




｢あいつはとにかく、暗い女だったよ。

しゃべらない、笑わない、友だちはいない、本当に不気味な幽霊みたいな女だった｣




｢その長島優子が、どうして急にいなくなったか、心当たりはありますか？｣




｢考えられる原因は、いじめかな？

あいつは、本当に醜い顔をしていたから、近くにいると、気味が悪くて、誰も長島優子と仲良くなろうとはしなかったんだ｣