僕を愛した罪

知らない子








学校を出た僕ですけど。

特に行く場所はないのでテキトーに歩いて時間を潰します。

「色白だから歩かなそう」なんてアホには言われましたけど
結構歩くんですよ、僕。

大体色白は生まれつきですから。





「1人ですかー?」


「暇だったらアタシたちと遊びません?」




今は8月下旬。

夏真っ盛りです。

あまりにも暑いので木陰で休んでいると
見知らぬ2人組に話しかけられました。




「暇ではありません」


「えっ?
だって1人でしょ?」


「どう見たって暇じゃない?」


「…1人だから暇、という方程式を作るのはやめた方がよろしいかと」


「方程式だって。
ぷっ、頭良さそう」


「でも着ている制服って見たことあるけど、あんまり頭良くないよね?」


「話し方だけ頭良いんじゃない?」





身近にいる人の悪口を堂々と言って笑う2人組。

見た目も話し方も、すぐに人の悪口を言うところも





「…馬鹿っぽいですね、あなた方」








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