恋する歌舞伎
若き旗本・青山播磨(あおやまはりま)は花見の最中、以前から犬猿の仲である幡随長兵衛(ばんずいちょうべえ)の仲間に喧嘩をしかけられる。

血気盛んな播磨は、売られた喧嘩は買わねばと一触即発の状態に。

そこへ以前から甥の素行の悪さを気にかけていた伯母・真弓が仲裁に入ったため、

その場はなんとか事なきを得る。

真弓は甥がいつまでも落ち着かない状況をみて、
「こうなるのも播磨がいい加減身を固めないからだ」
と言い残し去っていく。

実は播磨が伯母の勧める縁談を片端から断っているのは、お菊(きく)という恋人がいるためだ。

お菊は播磨に仕える腰元で、お互いに深く愛し合っている。

しかしお菊は、播磨の気持ちは信じてはいるものの、最近、播磨に縁談の話があるという噂を耳にしており気が気ではないのだった。


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