恋する歌舞伎
恋愛漫画やドラマでは頻出、現実世界でも陥りがちな男女の「三角関係」。

実は歌舞伎でも三角関係が軸となる話は多数あるのだ。

1人のいい男を、タイプの違う2人の女性が取り合うパターンは定番で、この『野崎村』もその1つ。


舞台はのどかな村の、とある家。主役であるお光(みつ)はこの村に住む、決して派手ではないけど心優しく、病気の母に代わり家事もこなす家族想いの優しい女の子。

今日はそんなお光が待ちに待っていた、許嫁と祝言をあげる日! お相手の久松(ひさまつ)は、もともと武士の子だが、訳あってお光の家で一緒に育ってきた、兄妹のような、でもやっぱり異性として大切な存在。

彼は10歳で丁稚奉公に出されたので、成長した久松とは久々の対面となる。大好きな人の花嫁となる、お光にとって今日は人生最高の日になるはずだった。


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