最強モテ子と落ちない彼
高村がアニメ好き?
ちょっと意外。

高村はいつも休み時間に本を読んでる。

一度だけタイトルが見えたことがあったけど、大人が読むような小難しそうな小説だった。

クラスにオタクっぽい、漫画やアニメが好きな男子達のグループもあるけど高村は全然仲良くする気は無さそうだし。


高村がエンジェルズのアニメなんか見るのかな?

気になって、ついつい高村の背中をじっと見つめる。

私の視線に気がついたのか、高村がこっちに顔を向けた。

目が合う。

いつも下を向いてるから気がつかなかったけど、意外と綺麗な目をしてる。



前髪、切ればいいのに。


その時、ぷっと高村が笑った。

笑いを堪えきれなかったと言うような、そんな表情で。



あ、やっぱり高村は私を庇ったんだ。

アニメ好きなんて多分嘘だ。


くだらない嫌がらせをした私を馬鹿にしてるのか、
仲良しの友達にあっさり裏切られたことを哀れんでるのか、
可愛いからって調子に乗ってたことを笑ってるのか、

高村は口パクでこう言った。


《よかったね》



か、感じ悪いー!!!
たしかに私が悪いよ。
あげく庇ってもらったし。

けど私と同じくらい、高村だって性悪だ!!!
おとなしぶってる分だけ、タチが悪い!!


悔しい。



高村はクラス内のカーストなんて気にもとめてない。

狭い世界で女王様だった自分が無性に恥ずかしい。


嫌いだ、あんなやつ!!









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