落ちてきた天使
「あんま俺に嫉妬させるんじゃねーぞ」
好きな人と気持ちが通じ合うって、こんなにも心が震え、満たされるものなんだと初めて知った。



求めてもいい。
もう、不幸になることを恐れて我慢しなくていい。


相手を想い、想われて。
いつまでもずっと一緒にいる……


まさか私にもそんな大切な人が出来るなんて、想像すらしてなかった。





「はあぁ〜…」



皐月は私をギューッと強く抱き締めた後、私の頭に顎を置いて力が抜ける様なため息を吐いた。



「どうしたの?」

「今、自分を言い聞かせてるとこ」

「言い聞かせてるって何を?」



きょとんとしながら腕の中で皐月の顔を見上げると、骨張った大きな手のひらによってすぐに視界を塞がれてしまった。



「馬鹿。可愛い顔して見んな」



暗くなった視界の中で、むすっとした可愛い皐月の声が鼓膜を擽ぐる。


目を塞がれる前のほんの一瞬、皐月の頬が赤くなってるのが見えたけど。



「まさか、照れてる?」

「別に。照れてなんかないし」

「じゃあ何?」



照れてないんだとしたら顔を赤くしてまで言い聞かせることって何?


気になってしつこく問うと、皐月は「ああもう‼︎」と乱暴にキスを落とした。


一方の手で私が逃げないように髪を梳きながら後頭部を押さえ、もう一方で腰を引き寄せるように抱き、幾度も角度を変えて食される。


乱暴だけど、それは優しくて甘い。
脳まで融けてしまいそうだ。




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