「裕貴君、どうだね?」

父は、最近ないくらいのご機嫌で、
私の隣に座った、森谷さんにビールを注いでいる。


どうだね?って言うのは、
夕食の準備の途中で、彼を連れ出し、
クリニック中歩き回って、感想を求めていた。

「機器類が、多少、
年季の入ったものがありますが、
設備は申し分ないと思います」
森谷さんは、気を使って答えてる。

「機器類は、病院ごと建て替えるときに新しくするつもりだろう?」
兄が口を挟む。

父は、数年前から老朽化した建物を、
建て替えると建築事務所に
図面を書いてもらっていた。

ずっと眺めてるだけだから、
絵に描いた餅ってやつだ。