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朝。

私は会社に遅刻するという旨の電話をすると、治人さんのマンションに向かう事にした。

本当は休みたい気分だったが、服を着替えたかったし、フォワーダーに送る資料に一部不備が発覚したため、出来るだけ早く書類の作成をしなければならなかったのだ。

ああ、ほんとに気分が悪い。

来也のマンションを出ようとした時、彼が思いもかけない言葉を放った。

「電話番号教えろ。じゃないと外に出さない」

「……なんで?」

來也がムッとして私を睨んだ。

「俺はなあ、イイ男なんだ。深夜に恋人からDV受けたか弱い女性……いや多分、か弱かったのは昨晩だけだろーがな。
……とにかく、強かな女豹を放っておけない。また何かあったら、俺に落ち度があったみたいな気分になって嫌だしな。どうだ、優しいだろ」