吸血鬼少女の恋
第二章 冷華の正体
その日の夜は、また赤い月の輝く夜だった。
パタパタパタパタ
夜、散歩していた陽は不思議な羽音を聞いた。羽音は徐々に陽の元へと近づいていく。
陽は、怖くなり眼をぎゅっと瞑った。
スタン
羽音は消え、代わりに誰か降り立った音が目の前でした。
陽は、ゆっくりと眼を開け現状を確認したのだが、驚くべき光景を目の当たりにした。
「冷華...さん?」
キラリと銀色に光る牙・血のような紅い唇
紅く鋭い眼光・腰まである黒く艶めいた髪
その姿は、吸血鬼少女そのものだった。
「貴方は、陽君かしら?」
「え、ああ、うん陽だけど...」
すると、冷華は必死になって言った。
「陽!お願いだからこの事言わないで‼」
「私達吸血鬼の掟...なの。」
「うん。何かわかんないけどいいよ。絶対に言わない!約束する。」
そう言って、二人は固く指切りをした。
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