□第七章 偽物の恋人



会社の近くのオッシャレーなカッフェーのオープンテラス席で、なぜか私は柴崎くんと向かい合って座っていた。

なんでこんなこじゃれた店で。
しかももう晩秋で肌寒いっていうのにわざわざ外の席に座らなきゃいけないんだ。
っつーか。会社のそばのこんな目立つ場所で柴崎くんと一緒にランチなんて、もうほとんど罰ゲームなんだけど。
会社の女の子に見られたらどうしよう。

そう思ってびくびくしながら届いたばかりのパスタをがっつく。
一秒でも早く食べ終わって、この場所から逃げ出したい。

「友野さんって本当にかわってますね」

そんな私を見てのんきに笑う柴崎くん。
いいからお前も早く食えよ! 冷めるぞほら!

「普通女の子って、こういうカフェに来たら、きゃーおいしそーとか言って食べる前に写メ撮ったりしません?」

残念ながら、私はそんなのに興味ないんだよ!

「じゃあかわりに俺が写メ撮ろうっと」

童顔の彼はニコニコ笑いながらスマホを取り出しこちらにカメラを向ける。
自分の分のパスタと、フォークを持つ私の手元が写り込むように写真を撮ってこちらに見せた。

「会社の憧れの先輩とランチ中(はぁと)ってSNSにあげていいですか?」

「ダメに決まってるでしょうが!」

ぎょっとして柴崎くんを睨む。
そんな写真をあげたら、会社の女の子たちにこの女の手は誰のなんだ!? って詮索されるに決まってる。


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