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そしてクリスマス仮装パーティー当日。誰もいない化粧室で芽依に活を入れられメイク中。

「やっぱりさ。この格好はないと思うんだよね?」

パタパタお化粧をされながらブツブツ言っていたら、キッと芽依に睨まれた。

「大丈夫! 目立たないから」

「これのどこが目立たないの?」

芽依とお揃いのゴシック風のワンピース。私が赤で芽依が白。
髪にはそれぞれ赤いバラに白いバラのお花つきのカチューシャ。

買い物に行った時、同じ型のワンピースの色違いを見つけて、童話の“白バラちゃんと赤バラちゃん”をやろうということになった。

マニアック過ぎるよ、この童話。

そう思ったわけだけど、乗りに乗った芽依を止められるはずもなく。
そういう経緯から、柊君は強制的に熊の着ぐるみを着ている。

ちなみに私が赤を選んだ理由は、きっとサンタクロース仮装が多いと踏んだから……なんだけど。

「甘い甘い。うちの会社の美術スタッフなめるんじゃないよ? 去年はアニメの主人公から将棋の駒まで、いろいろいたんだし」

「……将棋の駒?」

「さて、出来たよ。まぁ、今回は薄化粧になったけど、普段の可南子には見えないから」

渡された鏡を覗いてみて、眉をしかめた。

確かに、薄化粧と言えば薄化粧かもしれないけれど、真っ白な肌にピンクの唇、付け睫毛が上下について……ふんわりなメイクの狙いはビクスドール風?

「ここまできたら、芽依のメイクアップは特殊メイクの部類だよね……」

「さすがにそこまでしないから」

からから笑われて、ふたりで化粧室を出て会場に向かった。