強引な次期社長に独り占めされてます!
今日の会場はホテルのホールを貸しきり、またまた立食パーティー。

最初からこっそり入るつもりでいた私たちは、社長の挨拶が終わった頃合いに紛れ込んだ。

「うわぁ……」

目の前を、金髪……のウィッグを着けた妖精が通りすぎたよ?

サンタクロースに、トナカイの着ぐるみに、雪だるまは少数派。

向こうにはアニメの海賊と映画の海賊が談笑してるし、十字架を背負ったイエス・キリストもいるしバリエーション豊かすぎる。

「じゃ、柊のところに行くね~。楽しむんだよ、可南子」

パタパタと離れていく芽依に片手を振って、壁際に向かった。

……どんな格好をしていたところで、華やかなものには馴染めない。

途中、ボーイさんに飲み物をもらって壁にもたれ掛かった。

今日は一日疲れたなぁ。
主任は普段通り主任だったけど、私はいつもの私じゃなかった。

『枷になっているのは、正体不明だって事だけ』そう呟いたのは“死神さん”だ。

『枷になるのは、お互い正体不明だってことだけだ』そう言ったのは昨日の“主任”だ。

その言葉が頭をぐるぐるまわって離れなかった。

だからって、主任に「あなたは死神さんですか?」なんて、口が裂けても言えません。

だってあの夜、私は結構な醜態さらしてるよ? 余計な事も言ったし、余計な事もした。

最終的には抱き締められもしたよ!

もし主任が“死神さん”なら、ぎゃーだよ、ぎゃー!
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