溺愛レンズ

ひとりじめ




「ん〜良いよいいよ!ニャンコさん美人だよー!」




今日も高台の公園は人っ子一人いなくて、いるといえば時々現れるこの毛並みが綺麗なグレーのニャンコくらい。




高台ってだけあって、周りの建物に景色が邪魔される事なく青空が広がり、そして雲が流れる。




まるでこの世界を独り占めしたような気持ちに時々なるこの場所は、私にはとって心落ち着く大切な場所で、





「おい、パンツ見えるぞ」




ニャンコの目線になるようにして芝生に寝転んでいた私の体制。




そんな私の頭上から聞こえて来た低く落ち着いた声は、何だか聞いた事があるような気がして




「パンツ?」と思いながらもレンズを下ろしゆっくりと振り返った。




「え」




何故…何で…

思わず少しだけ空いた口がきっと側から見たらアホ丸出しな顔だっただろう。




そこにいたのは綺麗な男。


ここで二度会った事のある…あの彼がいた…





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