キミに想いが届くまで。
何も望まないから
2年生になっても安定の4人でいると、時間なんてすぎるのはあっという間で、もう初夏に入っていた。
「梅ちゃん梅ちゃん!
高校ってどこに行くかもう決めた?」
半袖のカッターシャツを肩にまでまくり上げている深田くんが、私の元へ駆け寄ってくる。
絵梨ちゃんと話していたけど、深田くんを見るとニコニコとしている。
「何あんた、もう高校の心配してんの?」
絵梨ちゃんの質問に私も頷く。
だって、まだ中2の夏だし気にしなくてもいいんじゃ?って思う。
実際私も決めたわけではないし。
なんとなくなら決まってるけど。
「だって梅ちゃん頭良いからさ。
もしかしてT高とか?」
「あ、まぁ今のとこはそこに行けたらいいなって」
「やっぱり!」
そう言って頭を抱える深田くん。