居場所をください。
カウントダウン。
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「うん、いい感じ。」
ダンサーたちにハンドベルを頼んでから数日
長曽我部さんが来る前に確認すると
みんなちゃんとできるようになっていて
全くミスすることなく音が重なっていた。
「ま、あとは長曽我部さんが
どのくらい本番に強いか、だよね。
まぁなんでも上手くやる人だから
大丈夫だと思うけど。」
「美鈴ちゃん、こっちの確認もお願い。」
「はーい。」
ベストの発売日まであと少し。
なのに今から確認作業だなんて
発売日に間に合うのか怖いよ、ちょっと。
「………うん、いいよ。」
「1分も開けたしね。
ジャケ写も歌詞カードの色のつき方も
結構きれいだよね。」
「あとは私のメッセージが
どこまで奇跡を起こすか、だね。」
「まぁそれは信じるしかないね。」
「……にしても、サブタイトル"What I got"って。
誰が決めたのさ。テーマそのまんまじゃん。」
私が手に入れたもの、なんてさ。
なんか偉そうなタイトル。まぁいいけどさ。
"私。~What I got~"か。
これはレコード会社の方針かな。
「美鈴ちゃーん!こっちもお願い!」
「はーい!
えーと、じゃあこれで刷っていいよ。
あ、私の分2枚は試作ほしいんだけど
この2枚もらっていい?」
「うん、いいよ。」
「よし、じゃあちょっと
佐々木さんとこいってくる!」
なんせライブも近いし
ベストの発売日も近いから
テレビの出演も多いから
事前の衣装合わせも多い。
そしてライブの衣装も続々と届き
グッズの試作もたくさん届き…
なんだか今は今までにない忙しさだ。