琴音‥‥side

私と夫は、結婚して五年になる。
最初の二年は、
なんとか・・やっていたが・・
代議士である夫は、
毎日、派閥や他の代議士のスキャンダル
そして自分を支持してくれる国民への
気遣いから、気持ちにむらがあり
気に入らない事があると
外で出せないために
私を殴る・・蹴るを繰り返し
ストレスを発散していた。

腕の骨折、足の骨折は
何度も経験した。
夫は、見える所は、殴らないから
私もひた隠しにしていた。

見えない部分は、アザだらけで
もう、元の色に戻らない
箇所もある。

ただ、私の弟の匠は、
内科の医師をしているため
ばれてしまった。
だが、口止めをしている。

匠は、渡瀬総合病院に勤めている。
(後にわかるが、渡瀬樹の家)

それと、同じ職場の凪ちゃんには、
夫から、殴られて腫れている所を
ピアノを指導している生徒が
触ってきて、痛みに動けなくなった
時に心配されて
「琴音さん、これは?」
と、言われたが
「凪ちゃん、びっくりしたね
ごめんね。でも、大丈夫だから
誰にも言わないで。」
と、言った。

凪ちゃんは、若いけど
とても、しっかりしたお嬢さんで
この職場で、唯一私と仲良しだ。
凪ちゃんは、
「なんでも言ってください。」
と、言ってくれた。

月紫が、生まれてから
少しの間・・
夫の暴力は止まっていたが、
ここ二年間は、
毎日、毎日、殴られ‥‥‥
蹴られている。

月紫に手をあげられたら
どうにもならないから
ひたすら‥‥‥我慢。

今まで、何度も逃げ出した。
月紫が、生まれる前も
生まれてからも
その度に、夫は私の父に
泣きつき
私は、自分の両親から叱られて
つれ戻される日々だった。

初めは、大悟の暴力を訴えると
父は、びっくりして
大悟を責めたが
大悟は、
「些細な事で
手が当たっただけだ」
と、言い訳をして
自分の父親にも泣きつき
「五十嵐のおじさんが
俺が、琴音に暴力をふるっていると
疑うんだよ。父さんなんとか
してよ。」
と、言う始末。