恋する気持ち。
二度目のキス
＊＊＊

「恭華せんぱーい。どうだったんですか？お見合い？」


そう聞いてくるのは一年下の後輩、間宮 すず。150センチと小柄な彼女は一生懸命、背伸びをして棚の上の方にある紙袋を取ろうとしている。


私は168センチの高身長をいかし、すずが取ろうとしていた紙袋に手を伸ばす。


「最低最悪だった。思い出したくもない。はい。どーぞ。」


「ありがとうございます。えーそれって相手が最悪だったってことですか？」


「まぁ………そうとも言うか。」


私は新商品のお知らせのダイレクトメールに顧客の宛先を書きながら答える。


私はコスメブランドでBA、ビューティーアドバイザーとして働いている。
駅前の百貨店の化粧品売り場に配属されていて、お客様の悩みや、好み、いろいろなお話を聞いて商品をおすすめしていく。

お客様にメイクをして、お客様が笑顔になり、とてもキラキラとした瞳になったときにこの仕事にやりがいを感じる。


メイクは魔法。


私はこの仕事が大好きだ。
大学を出てから働きだし、今年で7年目。
ついに私はチーフになった。







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