きみと恋の話をしよう
きみと恋の話をしよう

1.いつもの変なお客様




あ、今日も来た。

私はレジについた格好で、コミックスにビニールのカバーをかけている。

自動ドアを見やるとそこには常連のお客様の姿。

初夏なのにニット帽、大きなメガネとマスク。
どこで売ってるの?というくらいくすんだ色のパーカーを着た若い男性が背を丸め立っていた。


まずは彼はいつもどおり、店内をぐるりと見回す。

雑誌コーナーや参考書コーナーに知り合いがいないかと確認している様子だ。

この時ばかりは丸い背がしゃんと伸び、横の本棚と比べても彼の身長が175センチ以上あるのがわかる。
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