あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
「いい匂い。いただきます」
炊きたてのごはん、焼きジャケ、
のり、味噌汁…

寝ていた部屋の中までいい匂いがしていた。

朝ご飯がテーブルにきちんと並べられていた。
箸おきまでちゃんとある。
「すごい、完璧だね」


「いや…作れるの、これだけだから」
何でもない、って無表情のままいう。

志賀くんは、お味噌汁をよそってくれてる。お玉にすりきれ二杯、きちんと量ったようにお椀の中に入れてる。

よそった後に、二つの御わんを並べて、量が同じか上からのぞいてい姿が微笑ましい。
彼が、黙って何かを黙々とやってる姿も見ていて楽しい。

「本当に美味しいな…
嬉しいな。人に作ってもらうの、久し振りだから…」


「ん…」

泊めてくれたお礼に何かしたかったのに、
朝食まで作ってもらっちゃった。


「志賀くんって、何でも出来そうだね」


「そんなわけないだろ」


「ご飯も作れて、掃除も出来て、洗濯、
家計簿とかもつけてそう。女の人いらないどころか、お嫁さんになれそうね」


「別に、普通だよ」
ああ、余計なこと言っちゃったかな。

今度は、口も聞いてくれなくなった。


彼は時間厳守だし、仕事も真面目だよって絵梨言ってた。
いつも真面目だから、取っ付きにくいのかな。


「食べたら洗い物するね」

「ああ」


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