探偵の彼に追跡されて…
第四章 逃走します
んー重い…

重苦しく感じ眼を覚ますと所長が私を抱き枕の様にかかえ眠っていて私は思わず苦笑する。

昨日の朝は所長に奥さんと子供が居ると思っていたから目を覚まし隣に所長の顔を見た時は罪悪感があった。
でも、誤解だった事がわかった今朝は誰に謝るでもなく幸せを感じている。

これを抜けるのは厄介だぞ?
足もガッツリ絡まってるし…

起こさないようにそっと所長の足を退け懐からすり抜けるとベットの下に散らばった下着とパジャマを拾い浴室へ向かう。
昨日より遥かに増えてる沢山の花びらに頬が緩む。

「もぅ所長ったらどれだけつけるのよ」

シャワーを浴びるとリビングの窓を開け新しい風を入れる。
いい天気。洗濯日和だ。

「んー。気持ちいー」

腕を上に上げ手足を伸ばす。

「おはよう早いね?」と後ろから腰に腕が回され抱き寄せられる。

そうですよね? 早いですよね? まだ5時半ですもんね。

「おはようございます。起こしちゃいました?」

所長は私の首筋へ唇を這わせる。

「目が覚めたら美野里が居ないから寂しかった」

隣のビルから丸見えだから
ダメですよと言いながら喜んでる私。
うふふ… 擽ったい。

「所長、コーヒー淹れますけど飲みますか?」

「まだ早いからもう少し寝る」

「ですね? もう少し寝てください」

所長は私の手を引いて行こうとする。

「所長?」

「ん?」

「どちらへ?」

「ベット」

ですよね?
『まだ早いからもう少し寝る』と言いましたもんね?
で、なぜ私の手を引いているの?

「私はコーヒーを…」

「後でね!」

え? 後でとは?

「一人じゃ寝れない」

はっ?一人じゃ寝れないとか子供じゃないんだからさ!

「所長?私は眠たくないですから一人で寝てください」

私の言葉は却下され再び私もベットの中へ。

「所長? 寝るんじゃなかったんですか?」

「うん。お腹空いた」

「じゃ、朝食作りますよ」

「待てない」

すでに着替えていた服を脱がされ「取り敢えず美野里を食べる」と言って所長は私を喰らう。

寝るんじゃなかったのかい?





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