大好きな君へ〜私はもう大丈夫だよ〜
序章
光り輝くネオン街。

そんなネオン街で人の集まる名店、翔竜-syouryu-

翔竜は不定期に店が開き、いつの間にか閉まっている。

全会員制の翔竜には、人気を集めるわけがあった。

午後9時開店。

店の看板が青く煌めいた。



道行く人はその看板を見上げた。

その中に躊躇うことなく入る人々。

入口では何人もの黒服の人が会員証の確認をしている。


大きな扉の先には真っ赤なカーテン。

そのカーテンの奥には楽園がある。



程よく明るい店内。

全カウンター席。

カウンターには人気の理由となる、男がいた。


「いらっしゃい」

微笑むバーテンダーの男性。

その笑顔に女の人たちは顔を赤く染める。

程よく伸びたサラサラの黒髪に蒼い澄んだ瞳。

その顔は女とも見間違えるような中性的なものだった。


「いつものっ」

声を高くし注文する女性。

バーテンダーはすぐに一つのカクテルを作りあげる。



女の人はこのバーテンダー見たさに集まっているのだ――
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