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ここは……通っていた中学校の廊下だ。
私は何をしようとしていたのだろう……。

なぜか状況が上手く理解できない私は、取り敢えず次の授業が始まる前に教室に戻らなくてはと考える。

自分のクラス、2-Cの前に着きガラリとドアを開けると、教室内には仲良しの女子3人しかいなかった。

集まって座っている彼女たちの側に寄り「他の皆んなは?」と聞いたのに、答えではなく「どういうつもり?」とアヤに聞き返されてしまった。

なぜか怒っているようなアヤに戸惑う。

「え……なにが?」と質問を重ねると、涙目のユウが机をバンと叩いて立ち上がった。

「小林くんを盗らないでよ!
私が好きなの知ってるくせに」

サッカー部の小林くんをユウが好きだということは、一年生の時から知っている。仲良しの友達だから。

でも盗らないでと言われた意味が分からない。

私は小林くんのことを好きでも嫌いでもないし、他クラスだから話をする機会もほとんどないのに。

何かを勘違いしているユウに「違うよ!」と慌てて言ったら、今度はチナツが立ち上がった。

「じゃあ昨日、一緒に帰っていたのはなに?」

あ……見られていたのか……。

でも一緒に帰ろうと誘っていないし、誘われたわけでもない。

学校から出て200メートルほどの場所で、後ろから走ってきた彼に声をかけられたのだ。

今までほとんど話したことがなかった人だから、驚いた。

用事があるのかと思ったがそうではないようで、なぜか彼は私の隣を歩きながら色々と他愛のない話題を振ってきた。

それに受け答えをしつつ、帰っていただけなのだけれど……。