悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
発熱、しちゃいました。
「ただいまー」

家を出てアキとリドとの共同生活の場に戻る。


「おかえりー」


出迎えてくれたのは、アキじゃなくてリドだった。

玄関に座り込んで「待ちくたびれました」みたいな顔をしている。お前は主人を待ち続けた犬か!いや、猫か。


「あんた、暇なわけ?」


あたしはリドを睨みつける。


「暇そうに見える?」

「だから聞いてるんだけど」


溜め息を吐き出したあたしに、「ため息吐きたいのはこっちの方」とリドは言う。

まあ、リドがどうだとか別に関係ないしどうでもいいと思いながら「そういえば、アキは?」とあたりを見渡した。

アキの姿も、声も見えない。


「だからつまんねーんだよ」


リドはあぐらをかいて頬杖をついた。


「あいつ、どこにもいねーもん」


からかうもんがねえよ、つまんねえ。


リドはなんだか文句を言っているようだが、今のあたしにはそれどころじゃなかった。


「え?アキ、いないの?」


「そ。一度大慌てで帰ってきたかと思ったら、またすぐに大慌てでどっか行くし。おかげでオレ、ここでひとりだったんだけど」


いや、一人とか言われても知らないけど。


それよりアキどこにいったんだろう。

大体、うちを出たあたりから様子がおかしかったんだよ。

アキのことだ、なんか無茶してそうで怖い。
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