「先輩、大ニュースですよ!村上専務の結婚が決まったそうです!」



どこから情報を持ってきたのか知らないけど、沙織が興奮気味にそう報告してきたのは、あれから三日たってからだった。


着信は何度かあったし、メールもきたけれど放置した。


今は直属の上司ではないから、仕事内容の連絡をしてくる事はないから。


電話もメールもダメなら、直接くるかなと身構えていたけれど、専務がこの部署に姿を見せる事はなかった。


まあ、横手さやかさんが言っていた事は、本当の事だったんだなーと、納得するしかない。



「……そう。それはおめでたい」


「驚かないんですか?先輩なら、食いついてくるかと思ったのにー」



キイッと椅子に寄りかかって、沙織が残念そうにぼやいた。


食いつくも何も、知っていたし。


どういう経緯で、専務が結婚をしようとしていたかという事も。


これも一種のお家騒動なんだろうけれど、一般社員である私を巻き込まないで欲しかったなぁ。


もちろん、お見合いの事は誰にも言わないけどね。