今更だけど、流行りモノが書きたくなって(笑)
1章 詰んだ瞬間
「オニキス・ノワール公爵令嬢、お前との婚約を破棄する。」


きらびやかなシャンデリア、優雅な楽団の音楽に合わせ、フロアで踊る紳士淑女を横目にスモーキー第二王子が高らかに宣言する。

ここは貴族子息、令嬢が多く通う王立学院。
貴族だけでなく才能ある一般の生徒も多く在籍している。

もちろん、学院内では身分の違いなどなく皆が平等に学んでいる…事になっている。

私に向かい宣言を下した金髪碧眼の男、我がノーブル王国の第二王子スモーキー・ノーブル・クォーツ様だ。

第一王子であり、皇太子であるカクタス王子の補佐をするべく学院に通い始めたはずが…。


私は人知れず、ため息を付きたくなるのをこらえ、スモーキー第二王子に垂れかかる女を盗み見る。


チェリーピンクの艶やかなボブ、慈愛に満ちた眼差し、思わず守ってあげたくなる様な華奢な肩……ガーネット・ルージュ男爵令嬢だ。
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