愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




「藤堂さんが良いって言うなら良いんじゃないか?」

「本当に大丈夫かしら?」

「大丈夫だって。本当にかおりは心配性だな。
でも、とりあえず、家に行く時は藤堂さんに電話してから行けよ。」

「それはそのつもりだよ。」

そのくらいのこと、瑠威に言われなくてもわかってるよ。



「で、どうだった?
家の中もずいぶん散らかってるのか?」

「……まぁね。」

「藤堂さんって、見た目も良いし仕事も出来るのに、なんで片付けだけだめなんだろうな?」

「すべて完璧な人よりも、なにかだめなところがあった方が女性はひかれるものよ。」

「何?かおり、藤堂さんの片付け出来ないところ、可愛いって思ってんの?」

「そんなこと、思ってないわ。」

「……本当に?」

まずいぞ!…みつめあう二人の目がハート形になってるよ。



「あ、とにかく!!
鍵は預かっといて良いのよね!?」

いつもより大きめの声でそう言ったら、二人の視線が私の方に向いた。



「そうね。
でも、気を付けるのよ。
よそ様のお宅にお邪魔するんだから、ものを壊したりなくしたりしないようにね。」

「うん、わかったよ。」

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