愛しのカレはV(ヴィジュアル)系




「さ…じゃない、エミリー!」

「璃愛~!」

10分前に待ち合わせの場所に着いた時、すでにさゆみは来ていた。
お互いに名前を呼びながら手を振る。



「璃愛、すっごく可愛い!」

「エミリーもお人形さんみたいだよ。」

試着した時から可愛いとは思ってたけど、メイクもばっちりな顔で着ると、さらに可愛い。



「じゃあ、行こうか。」

「うん。」

ライブの前に腹ごしらえ。
今日もきっと思いっきり暴れると思うから、しっかり食べとかないと。







「キラさん達は今日もギリギリ?」

「うん、そうらしいよ。
仕事があるからね。
でも、開場までには絶対に来るって。」

「そっか。良かった。」

「それとね、今日、一応、キースさんとリクへのプレゼントも持って来たよ。
ラッピングもばっちりだから。」

「え?だって、バイトだから多分行けないって…」

「でも、『多分』だからね。」



さゆみって、けっこう深読みするんだな。
私は、多分行けないって言われたら、その通りに受け取っちゃうけど…



あ、でも、来たらまずいよ。
私…キースさんとおそろのイヤリングつけて来ちゃったのに…



「それで…結局、どうすることに決めたの?」

「うん……」
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