「あそこがライブハウスだよ。」



(わっ!)



さゆみが指差す先には、すでにたくさんのお客さんが並んでた。
今日は確か、対バンじゃなくてCLOWNの単独ライブのはずなのに…



「ねぇ、さゆみ…」

「エミリー!」

「あ、エミリー…今日って、ワンマンだよね?」

「そうだよ。初のワンマンだよ。」

「CLOWNって、けっこう人気あるの?」

「そりゃあ、そうでしょ。
シュバルツの弟バンドだもん。」

さゆみはこともなげにそう言い切った。



(あ、あの人…シュバルツのライブで見たことある。)

一番前に並んでる二人組…まるで、バンドのメンバーみたいな派手な格好でいつも目立ってる人達だ。
さゆみの言う通り、きっと、シュバルツのファンがずいぶん見に来てるのかもしれないね。
私やさゆみだってそうなんだし。



「エミリー!璃愛!」

「え?」

不意に名前を呼ばれて、あたりを見渡すと、列に並んだキラさんとハルさんが手を振っていた。



「あ!キラさん!ハルさん!」

私達は二人の傍に駆け寄った。



「二人とも…今日は気合入ってるね!」

「え~…そうですか~?
でも、お二人には全然敵いませんよ!」

さゆみってばけっこう口がうまい。
まぁ、キラさん達はいつもおしゃれだし、丸々お世辞ってわけでもないだろうけど…



「何番?」

「186番です。チケット買ったの遅かったんで…」

「じゃあ、場所取っとくからおいで。」

「え!?本当ですか!
ありがとうございます!
今日は璃愛も前で見たいって言ってるんで、よろしくお願いします!」

「へぇ…璃愛もついにその気になったか。
わかった。待ってるから、後でね!」

私達は、キラさん達に手を振って、列の後ろの方に並んだ。

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