愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
(はっ!)



心臓が胸を突き破って出て来そうなくらい、どきどきしてた。
目を開き、薄暗い部屋の中を見回して…ぼんやりした頭で、そこが私の部屋だと確認した。



(なぁんだ…夢か……)



ほっとすると同時に、なんだか馬鹿馬鹿しくて笑いが込み上げた。



私があんなにモテるはずないよね。
寝る前に、皆の画像見てたからあんな夢を…
あぁ、恥ずかしい…
恥ずかし過ぎて、こんなことさゆみにも話せないよ。



(でも……)



ちょっと楽しかったな。
あんな素敵な人達に、奪い合われるなんて…
確かに、夢でもなければあんなことあるわけないよね。



それにしても、瑠威までが参加してるのが笑える…



(あ…でも……)



奪い合われることはないとしても、あの怖い人にまた何か言われるってことは本当にあるかもしれない。
いやだな、そんなことだけ正夢になったら…



ふと時計を見たら、5時10分前だった。
起きるにはまだ早い。
とにかく、今は余計なことを考えずに寝よう…



私は、またそっと瞼を閉じた。
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