フカミ喫茶店のワケありアンティーク
Menu2 世界で一つの アンティークドール

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6月に入って最初の日曜日。
本日の天気は晴れ、最高のバイトデビュー日和。

――カランッ、カランッ。
フカミ喫茶店、今日からお世話になるバイト先の扉を勢いよく開け放つ。

「おはようございます!」

今日は先輩もいるし、初バイトだしで気合いを入れた。服装も髪型も鏡で念入りにチェックをして、笑顔も忘れてない、はずなのに。

「おはようございます、来春さん」

笑顔で迎えてくれたのはカウンターにいる深海さんだけで、残り2名はというと。

「ふあっ」

欠伸をかます、私の事なんて無関心な小学生に。

「…………」

カウンター席で読書に耽るブリザード男。
あ、でも拓海先輩の私服、カッコイイなと見惚れる。黒いパーカーに、迷彩柄のスリムパンツ、全体的にシンプルなのにそれを着こなしてるからズルい。

「私だって気合入れてきたのになぁ」

なんだか肩すかしな気分だ、というか……。
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